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フリーアナ岡副麻希と結婚 32歳蒲生尚弥ってどんなレーサー?「挫折を経て国内トップ選手に」「人柄にも定評」
posted2022/04/13 11:00
text by
大串信Makoto Ogushi
photograph by
Takeshi Ogasawara
レーシングドライバーの蒲生尚弥と、TV番組でレポーターを務めていたフリーアナウンサーの岡副麻希さんとの結婚が明らかになり、にわかに蒲生に注目が集まっている。
では、蒲生尚弥とはどんなレーサーなのか。必ずしも一般的に目立っているわけではないが、国内モータースポーツ界では知る人ぞ知る職人的選手である。
トヨタのドライバー育成プログラムで上位選手に
一口に「レーシングドライバー」と言っても、モータースポーツには明確なプロフェッショナルの統括団体があるわけではなく、レーシングドライバーになるための道は多岐にわたる。近年は、自動車メーカーが運営するレーシングドライバー育成プログラムに参加し、そこで成績を残して得たスカラシップに乗るやり方が王道だ。たとえば昨年F1グランプリにデビューした角田裕毅は、16歳でホンダが運営するドライバー育成プログラムに参加、順調にステップアップして5年目にF1へ到達している。
野球少年だったという蒲生もまた、2006年にトヨタ自動車が運営するドライバー育成プログラム、フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)を受講してプロのレーシングドライバーへの道を歩み始めた。ここで上位の成績を収めると、2008年にフォーミュラカーレースの入門カテゴリーであるFCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)に参戦、本格的にフォーミュラカーレースへデビューした。
王道中の王道、トヨタ系の名門トムスへ
FCJはフォーミュラカーレースを志すレーシングドライバーにとっての登竜門で、蒲生も2年目のFCJでシリーズランキング3位となって、上位カテゴリーの全日本F3選手権へ進出した。全日本F3選手権は、国内トップカテゴリーである全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)への最終関門である。そこでNクラス(国内独自規格のF3)に参戦し年間ランキング2位に入ると、2011年にはトヨタ系チームの名門トムスに所属してCクラス(国際規格のF3)にステップアップした。