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トランプ大統領の意に沿わない選手達。
NFLで国歌演奏中の片膝は不敬なのか!?
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byGetty Images
posted2018/06/13 17:30
イーグルスを称える式典は、トランプ大統領の命令で「Celebration Of America(アメリカの祝典)」へと急遽変更された。
政治的な信念でホワイトハウス訪問拒否の選手も。
保守グループ『ティーパーティ』のメンバーだったNHLのティム・トーマスはオバマ前大統領への不支持を表明し、ホワイトハウス訪問を拒否。
またNFLのニューイングランド・ペイトリオッツのスター選手のトム・ブレイディはブッシュ大統領時代はチームメイトと訪問したが、2015年(オバマ政権)、2017年(トランプ政権)の時は「家族の都合」でホワイトハウス訪問を欠席。だがその当日、ショッピングをしている場面をファンに激写されている。
現政権になってからの顕著な例としては、平昌五輪フィギュアスケートの米国代表で同性愛者であることを公表したアダム・リッポン、スキーのガス・ケンワーシーやリンジー・ボン、フィギュアスケートのネイサン・チェンなどは大会前に訪問を拒否し、4月27日に行われた式には参加していない。
NBAのプレーオフに出場していたクリーブランド・キャバリアーズのレブロン・ジェームズは、大統領がイーグルス訪問を中止にしたことに関しては「驚きはない。いつもの彼らしい行動。プレーオフでどちらが勝っても、どちらのチームもホワイトハウスに行かないと思う」と発言。
プレーオフを制したゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーも「レブロンに同意する。去年から自分の考えは変わっていない。訪問するか決める選択肢、発言する権利は我々にあって、それはとてもパワフルなこと」と応じている。
国歌演奏中に片膝をつくのは不敬なのか?
トランプ氏は「国歌演奏中にロッカールームに留まるのは、片膝をつくのと同じくらい不敬だ」と述べた。
これは2016年8月にサンフランシスコ49ersのコリン・キャパニックが白人警官の非武装の黒人に対する銃撃行為や暴力などが相次いだことに抗議するため、試合前の国歌演奏中に片膝をついたことが事の始まりだ。