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トランプ大統領の意に沿わない選手達。
NFLで国歌演奏中の片膝は不敬なのか!?
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byGetty Images
posted2018/06/13 17:30
イーグルスを称える式典は、トランプ大統領の命令で「Celebration Of America(アメリカの祝典)」へと急遽変更された。
片膝をついた場合はチームに罰金という新規則。
世論やトランプ氏に対する「忖度」なのか、NFLは5月下旬に国歌演奏時に選手が起立しなかった場合、チームに罰金を科すという新規則を発表。起立したくない選手は国歌演奏が終わるまでロッカールームにいてもいいという条件もつけられている。
試合よりも「片膝をつくか」に注目が集まることをオーナーやチームが嫌うのは当然だが、リーグとして規則にするのは少々過剰反応な気もする。また選手たちの抗議への問題の本質をすり替えていることも大いに気になる。
そもそも国歌演奏中に片膝をついたのは「人種差別への抗議」のためだった。スポーツ選手は政治や社会問題に関わるべきではない、と思う人もいるかもしれないけれど、将来を担う子供たちの助けになりたい、注目を集める立場の自分たちが主張すべきだ、と考える選手が増えている。
NFLのシーズン開幕まであと3カ月。
今シーズンも抗議の意志を見せて片膝をつく選手がいるのか、違った形で差別への抗議をするのか、注目していきたい。