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トランプ大統領の意に沿わない選手達。
NFLで国歌演奏中の片膝は不敬なのか!?
posted2018/06/13 17:30
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
Getty Images
「フットボールチームのフィラデルフィア・イーグルスをホワイトハウスに招待したが、残念ながら少数の選手しか訪問しないので、今回のイベントを中止にすることにした。国歌演奏中にロッカールームに留まるのは、片膝をつくのと同じくらい不敬だ。ソーリー!」
6月4日、ドナルド・トランプ大統領がブチ切れツイートをすると、トランプ支持者たちが一斉に選手たちをバッシング。それに対し、イーグルスの一部選手がSNSを使って反撃するなど、場外バトルが再燃している。
ホワイトハウス訪問は1865年が始まり?
今回のトランプ氏のブチ切れツイートの後、ホワイトハウスの広報担当が「イーグルスによる政治活動だと認識している」とさらにチームを批判。
賛成派、反対派の様々な意見が飛び交ったのだが、アメフトチームがホワイトハウスへの招待を受けないというだけで、大統領がこんなに感情的になるのはいかがなものだろう……そう思った人が多かった。
参加の意志がある関係者や選手がいたのなら、少数であっても招待する――という選択肢があったにもかかわらず、結局このNFLの選手たちをホワイトハウスに招待するというイベントを「アメリカ国歌を流して、アメリカを祝う式(Celebration Of America)」と当てつけの式典に変更したことを大人げない、という人もいた。
ちなみにアメリカではリーグ優勝したプロや大学チーム、五輪やパラリンピックの代表選手がホワイトハウスに招待されるのが習わしになっている。
米国のスポーツ局ESPNによると1865年に当時の大統領、アンドリュー・ジョンソンがアマチュア野球チームを招待したことが起源と言われているが、政権や大統領との意見や考え方の相違がある場合などに訪問を欠席する選手はこれまでも存在した。