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高校、大学の先輩、山川穂高も驚き。
西武・多和田真三郎が絶好調な理由。

posted2018/06/01 11:15

 
高校、大学の先輩、山川穂高も驚き。西武・多和田真三郎が絶好調な理由。<Number Web> photograph by Kyodo News

山川穂高(右)とともに月間MVPを獲得した多和田真三郎。沖縄生まれの2人がライオンズ躍進を支えている。

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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Kyodo News

「今年は“にぃーりぃー”って、多和田の口から聞かなくなりましたね」

 3月・4月度「日本生命月間MVP賞」を受賞した会見で、投手部門に選ばれた多和田真三郎について打者部門の受賞者、山川穂高はこう語った。

“にぃーりぃー”とは2人の出身地である沖縄県で、よく使われる若者言葉。簡単に言うと「ダルい」という意味だそうだ。昨シーズンまでの多和田は、状態が上がらないとき、試合で打たれたあとなどに「にぃーりぃーっす」とつぶやいていたと山川は言う。

 ポーカーフェイスで、表情からはその感情を読むことができない多和田が唯一、周囲にこぼしていた本音である。おそらく、打たれてしまった自分、思うようにボールをコントロールできない自分への腹立ちから出た言葉だろう。

5月時点ですでに7勝をマーク。

 ところが今シーズンは、そんな弱気な言葉が封印されている。

 パ・リーグの並み居る好投手を抑え、今年最初の月間MVPを受賞したのは入団3年目の多和田だった。開幕からローテーションの一角を守り3月、4月は5試合に登板。リーグトップタイの5勝を挙げた。

 防御率も2.06と安定し、4月14日の東北楽天戦ではチーム一番乗りとなる完投勝利もマークした。プロ1年目の2016年は7勝、2017年は5勝を挙げている右腕が、今シーズンはすでにここまで7勝を記録。自己最多勝利数を更新する勢いだ。

「今シーズン、2戦目のオリックス戦で、投げている途中にいい感覚をつかみました。オープン戦のときは調子が悪かったんですけど、登板のない日に練習のために二軍に行ったときに、チームスタッフの方から『もう少し軸足に体重をためてみたら?』とアドバイスしてもらったんです。その言葉をずっと試合中に意識していたんですけど、オリックス戦のときに、“これだ”という手応えがありました」

【次ページ】 右腕のため方、タイミングに手応え。

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