バスケットボールPRESSBACK NUMBER
2冠達成に王手の千葉ジェッツ。
1年前の教訓から、言い合いせずに。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byB.LEAGUE
posted2018/05/25 16:30
琉球との2戦目では9得点と、PG富樫に次ぐ7アシストを記録した小野。キャプテンとしてチームをけん引する。
「大歓声が大きな武器だと思った」
小野は以前から、盛り上がるべきタイミングで、ファンにさらなる後押しをしてほしいとうながしてきた。
「アリーナに一体感を生み出したいんですよ。今以上の一体感が生まれれば、相手チームにとってはすごくやりづらい雰囲気になる。そんなアリーナになってほしいという願いを込めてやっています」
琉球とのセミファイナルでもっとも会場が盛り上がったシュートを決めた直後、ファンを煽った理由を小野はこう振り返った。
「うちはこういう大歓声が1つ、大きな武器だと思ったので。沸いてくれたらやっぱり、相手チームは嫌な感じがすごくすると思う。だから僕は、あえてやっています」
そして、彼らの変化についても胸を張る。
「いやあ、変わったと思います。やっぱりリアクションの量が増えました。それはもう、すごく感じていますよ」
選手たちが苦しいときにプレッシャーを感じるのか、強烈な後押しを受けられるのか。その違いは大きい。
バスケットボールは歓声のこもる室内競技だ。1試合で40回近くゴールが決まり、それ以外にもスティールやブロックショットなど、観客が一喜一憂する回数がとにかく多い。だからこそ、彼らの存在もまた、勝敗を分ける大きな要素となる。
だからこそ、横浜アリーナで行なわれる今度のファイナルは、千葉ジェッツにかかわるすべての人たちの成長が問われる一戦となる。