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いずれはバスケ女子代表のHCに――。
現役時と変わらぬ大神雄子の情熱。
posted2018/05/20 09:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Yuko Oga
3月末に現役引退したばかりの大神雄子が、早くも次の目標に向かって動き始めた。
以前から「引退後はコーチになりたい」と言っていた大神は、引退直後の4月にロシアへの弾丸旅行を決行。中国WCBAの山西でプレーしたときのヘッドコーチで、スペイン代表ヘッドコーチでもあるルーカス・モンデロと彼のアシスタントコーチ、セサル・ルペレスが、現在ロシアのチーム、ダイナモ・クルスクをコーチしており、引退の挨拶ついでに、ロシアリーグにおけるコーチングの現場を見てきたのだ。
「シーズンが終わって、すぐにルーカスに連絡を取ったら、ちょうどこの時期がロシアリーグのセミファイナルがあるからおいでよって言ってくれて。自分の野望心だけで行きましたよ。超過酷でしたから」と大神。
現役時代と変わらぬ行動力と好奇心。
クルスクはロシア南西部、ウクライナ近くにある州。
日本から行く場合はモスクワから国内線に乗り継ぐ必要があるのだが、乗り継ぎのための空港がモスクワから車で2時間の距離にあるため、たどり着くだけで一苦労だったという。移動のためのタクシーはあらかじめ日本から手配していったとはいえ、英語も通じないなかで、どこか違うところに連れていかれてもわからないからと、時差ぼけにも関わらず、車移動の間は一睡もできなかったという。
それでも、苦労して行った価値はあった。
クルスク滞在は移動日を除いて丸3日間。そのうち2日間が試合に向けての練習で、最後の日が試合当日だったので、試合だけでなく、試合に向けて、選手のコンディショニングをどうやってあげ、その間にどう対戦相手の対策を教えるのか、その準備のしかたを見ることができたのだ。
モンデロ・コーチも、大神がコーチになろうとしているのをわかっていたので、スカウティングレポートをくれるなど、自分のコーチングのノウハウを教えてくれた。
「ルーカスがそうやってコーチ目線で話してくれたのが嬉しかったです」と大神は喜んだ。
日本から足を運んだことで得られた知識だ。実際に見たことで、次はスペイン代表の練習や、ユーロリーグの試合も見に行きたいという思いを強くした。モンデロ・コーチだけでなく、アメリカのコーチ、WNBAやNCAAなども色々と伝手を使って現地で見て、話を聞きたいと意欲を燃やす。
この行動力と好奇心が大神の一番の武器だ。
現役時代にアメリカWNBAや中国WCBAでプレーできたのは、実力はもちろん、それを実行に移すための貪欲さと行動力があってこそ、だった。