サムライブルーの原材料BACK NUMBER
GK東口順昭が怪我で得た割り切り。
「絶対止めなあかん」が強すぎた?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byGetty Images
posted2018/05/19 07:00
フェースガードは東口順昭の新たなトレードマークになっている。精神的にも一段大人になった彼のプレーから目が離せない。
フェースガードは新しいヒガシの象徴に。
チームが置かれた状況など外的要因に左右されず、自分自身にフォーカスしていく。それがひいては「勝ちに持っていけるだけの存在感」に向かうことにも気づいた。アプローチを変えても、その目標に届くということを。
積極性と割り切りを携えて、ゴールマウスにそびえ立つ。なるほど大きく見えるのは、何となくの“心なし”ではなく、その道理をつかんだ“心あり”だからこそ。
いち早く復帰したかったのは、何も日本代表にアピールするためではない。ケガをしたことで得た感覚を、できるだけ早くプレーに落とし込みたかったからにほかならない。マリノス戦は1-1で引き分けたとはいえ、前途に光明を見いだすことができた。
フェースガードは“新しいヒガシ”の象徴になっている。
「身に着けていても、見え方とかも問題はないです。むしろ安心感が出るんで、思い切ってプレーできる。当分は着けておこうかなって思っています」
川のように、柳のように。
流れを読みながら、流れに身を任せながら、的確に、確実に。
フェースガード越しから見える視界は、極めて良好である。