ラグビーPRESSBACK NUMBER
一流企業の正社員を辞してプロへ。
ラグビー金正奎は生粋の主将だ!
posted2018/05/09 11:00
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Masataka Tara
会社員としても有望だった生粋のリーダーは、プロ選手として生きていくことを選んだ。金正奎(きん・しょうけい)は、所属先のNTTコミュニケーションズラグビー部で、社員選手からプロに転向したチーム第1号になった。
ピッチ上では華やかで強烈なタックル、ボール奪取で観客を沸かせ、ピッチ外では明るいキャラクターで人を惹きつける。
ラグビー国内最高峰のトップリーグでプレーするNTTコミュニケーションズ シャイニングアークスの金は、類い稀なリーダーだ。
大阪府出身の26歳は、啓光学園中、常翔啓光学園高でキャプテン、早稲田大学では副キャプテン、2014年入社のNTTコムでも3年目から牽引役を務める。高校日本代表、U20代表、ジュニア・ジャパンでもキャプテンを任された。
基本的に飲酒は控え、油モノも避けている。8時間以上の睡眠をとるため夜11時までには寝る。その理由は明確だ。
「『あのときお酒を飲んでしまったから』と言いたくないんです。ラグビーにまつわることで言い訳はしません。言い訳は潰さないといけない、ということはずっと考えています」
サンウルブズに招集され本能が疼いた。
NTTコムの社員としてグローバル事業推進部に勤務しながら、プロ同様のストイックな姿勢を貫いてきた。
そんな金に転機が訪れたのは、入社3年目の2016年。
大学生中心だったジュニア・ジャパンに参加したことが契機となり、日本代表まで駆け上がった。2試合に先発した2016年6月のスコットランド代表戦後には、スーパーラグビーの日本チーム・サンウルブズに初招集。トップレベルでプレーしたことが自信になり、ストイックな性分、アスリートの本能が疼いた。
「(NTTコムでは)社員からプロというのはなかったのですが、チャンスがあれば拾ってチャレンジしたいと思いました」