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一流企業の正社員を辞してプロへ。
ラグビー金正奎は生粋の主将だ!
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byMasataka Tara
posted2018/05/09 11:00
社員からのプロ転向。言葉で書くのは容易いが、行動に移すのは勇気がいる。金正奎はその道を迷うことなく歩んでいる。
プロ転向後、人生の伴侶を得た。
献身的にサポートしてくれる伴侶も得た。金は2018年2月14日にかねてより交際していた女性と入籍。結婚を意識したのは、選手人生最大の怪我がきっかけだ。2016年7月、サンウルブズに招集されていた金は、遠征先の南アフリカで左膝内側靭帯を完全断裂。すぐに帰国して緊急手術し、足首の三角靱帯などにもメスを入れた。左足を地面につけられない状態で、1人暮らしの自宅に戻った。
「1人で生活するのが困難な状態だったんですが、彼女が看病、家事、洗濯をぜんぶ、一生懸命にやってくれて。それが2カ月くらい続きました。僕だったら絶対できないことを平気でできる子だったので、そこにすごく惹かれました」
プロポーズはプロ転向後。2017年のクリスマスだった。
公私ともに大きな転機を迎えた金だが、キャプテンを務めるNTTコムもこの春、千葉・浦安に新グラウンド「アークス浦安パーク」が完成。天然芝2面のグラウンド、最先端設備を投入した豪華クラブハウスを備えるが、キャプテンを務める金はチームを引き締める。
「自分たちが変わらなければ結果も変わらなくて、クラブハウスの価値も低くなってしまう。まず自分たちが変わることが第一優先です」
天性のキャプテンは、いまも信念の通った言葉で周囲を鼓舞し続けている。もしかしたら、周囲の仲間たちやファンはこう感じているのかもしれない。プロであろうとなかろうと変わらない。
金正奎は金正奎だ。