ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
鈴木みのるが30周年記念の相手に
オカダ・カズチカを指名した理由。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byEssei Hara
posted2018/05/08 17:00
昨年2月には札幌で激突した鈴木みのるとオカダ・カズチカ。この一戦が無料で見られるのは幸福すぎる!
あえて無料で見せる意義とは?
それを、あえて無料で見せる意義を鈴木はこう語る。
「今回のイベントは、ファンキー加藤や中村あゆみさんのライブ目当てで来た人とか、たまたま観光で赤レンガ倉庫に来た人とか、プロレスを初めて観る人もたくさんいると思う。そういう人が初めて目にするものが、世界に誇れるものだったら、受ける衝撃も違うと思うんだよ。
俺自身は小学生の時、テリー・ファンク&ドリー・ファンクJr. vs. アブドーラ・ザ・ブッチャー&ザ・シークの世界オープンタッグ選手権優勝戦をテレビでたまたま観て、ものすごく衝撃を受けたんだよね。
ブッチャーの凶器攻撃で、テリーが血だるまにされてさ。その時は、『うわっ、血が出てる。怖い怖い、テレビ消してよ!』って言ってたんだけど、そのあとテリーが包帯を巻いてリングに戻ってきて、ブッチャーとシークを蹴散らしたシーンを観た瞬間、『うわっ、プロレスってなんてカッコイイんだ!』と思って。その衝撃の大きさで、そこからプロレスの虜になったからね」
“プロレスとの最高の出会い”を。
テリー&ドリーのザ・ファンクスとブッチャー&シークのオープンタッグ選手権の激闘といえば、全日本プロレス46年の歴史の中でも、屈指の名勝負といわれる一戦。
それを10歳の時、たまたまテレビで観て以来プロレスの虜となった鈴木が、まだプロレスファンでない人たちに対して、自分と同じように“プロレスとの最高の出会い”をしてほしい。そんな思いから用意したのが、自身が提供できる最高のカードであるオカダ・カズチカ戦だったのだ。
そしてもう1つ、鈴木には「30周年記念試合の相手が、こいつじゃなきゃいけない理由」があるという。