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ダルビッシュ6戦未勝利の原因判明?
スパイク交換で消えた「問題」とは。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2018/05/07 12:20
カブス1年目の序盤戦で苦しむダルビッシュ。ここからの巻き返しなるか。
5回途中6失点にブーイングも。
ブルワーズ戦の5日後に巡ってきた今季6度目の登板、地元シカゴにロッキーズを迎え撃ってのゲームで、前回登板の好投が嘘だったかのように、5回途中7安打6失点(自責点5)と打ち込まれてしまう。5回持たずに降板したのは今季4度目だ。
降板時には地元ファンからもブーイングを浴び、試合後の記者会見でも最初は「全体的にうまくいかないことが多くて、流れが悪い投球だった」と淡々と話す。多くは語らないのではないかと思わせたが、彼は会見の最初から、どこかすっきりしたような表情を時折、浮かべていた。
「(5回途中で降板した)前の3つの先発より絶望していない。自分のやらなければいけないことが見えてきて、課題が少なくなった。次につながる感じがする」
いつものように記者の顔を一瞬だけ見て、視線を上に向けて考えながら話す仕草は同じだ。違うのは、打たれた理由を説明しながらも、何か違うことに心を奪われているような感じがすることだった。
足の張りがほぼゼロの状態に。
「自分の課題っていうのが今日は本当に出なかったので、自分のせいで負けたのに不謹慎なことですけど、それが何より本当に嬉しかった」
自分の課題。それは試合の途中に突然、訪れる「足の張り」だった。
「ずっとずっと毎日悩んできて、なんでだ? なんでだ? と毎日思っていたし、ずっとモヤモヤがあった。だから栄養の部分で見直したし、ハイドレーション(水分補給)の部分でも見直したけどダメで。それまで投げて疲れることなんてないよって言ってる人が、そんなに毎回、4回、5回になって来るわけない。それで最後の砦じゃないですけど、ひょっとしたらと思って――」
ひょっとしたらと勘繰って、スパイクを替えてみた。ただし、それは「大谷モデル」ではなく、2013年に彼自身が使用していた「素材の違うもの」である。
「とりあえず今日のところは、それで大丈夫だった。ずっと続いていた足の張りが、ほぼゼロに近い状態だった」