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武豊の騎乗停止で三浦皇成に好機!
天皇賞・春は天才復活の大舞台か。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byAFLO
posted2018/04/29 07:00
2008年の三浦皇成のデビューは衝撃的だった。覚醒の気配は漂っているが、天皇賞がその契機となるか。
武豊の騎乗停止でビッグオファーが到来。
そんな彼のもとに、第157回天皇賞・春(4月29日、京都芝3200m、4歳以上GI)のビッグオファーが舞い込んできた。
昨年の菊花賞で2着となり、今年の京都記念で重賞初制覇を果たしたクリンチャー(牡4歳、父ディープスカイ、栗東・宮本博厩舎)の騎乗を依頼されたのだ。手綱をとる予定だった武が騎乗停止になったことによるオファーである。
水曜日の追い切りで初めて騎乗し、感触を確かめた。
「扱いやすくて、すぐにコンタクトがとれました。GIを獲りに行く、いい馬だなという背中をしていた。この馬のリズムで走れば、間違いなくいい結果がついてくると思います」
調教で攻めた前走の阪神大賞典では掛かってしまった。その反省から、陣営は、ゆったり仕上げる「長距離仕様」の調教メニューに変更した。
10月7日の凱旋門賞に登録しており、その意味でもここは重要な一戦となる。
武が同じ長身の騎手として手本にしていた「元祖天才」田原成貴は、初騎乗となったリードホーユーで'83年の有馬記念、コガネタイフウで'89年の阪神3歳ステークスを勝つなど、代打騎乗や乗り替わりで結果を出し、その後の活躍につなげてきた。
三浦がこの代打騎乗で結果を出し、ノースヒルズ代表の前田幸治オーナーに認められれば、大きな飛躍のきっかけになるかもしれない。
ポスト・キタサンブラックはどの馬か。
「平成の盾男」と呼ばれ、史上最多の天皇賞・春8勝を挙げている武が乗るはずだった馬なのだから、当然、期待が高まる。4枠8番という、内と外の動きを見ながら立ち回ることのできる枠も悪くない。
◎クリンチャー
○ガンコ
▲レインボーライン
△シュヴァルグラン
×サトノクロニクル
注トーセンバジル
GIホースはシュヴァルグランだけだが、スタミナ自慢の強豪が揃った。
ここを制した馬が「ポスト・キタサンブラック」として日本の競馬界を牽引する存在になることを願いたい。