ROAD TO THE DERBY 2018BACK NUMBER
皐月賞で好走のジェネラーレウーノ。
驚異の粘りを生む圧倒的ポテンシャル。
posted2018/04/25 07:30
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Keiji Ishikawa
皐月賞で3着だったジェネラーレウーノは、調教師の矢野英一が北海道セレクションセールで一目惚れした馬だった。
「見た目の第一印象がよくて後から血統を調べたらスクリーンヒーローの仔でした」
スクリーンヒーローは母系がどんなタイプでも走るというイメージを持っていたので、購買していただけないかオーナーに相談した。
「セレクトセールで狙っていた馬が高過ぎて買えませんでした。だから1500万円までなら、ということで競ってもらいました」
結果は予算を大幅に上回る3240万円で落札してもらえた。育成はノーザンファームで行った。
「牧場での評価は高かったけど『もう少し自分から走る気が欲しい』と言われました。ただ実際に入厩すると、意外に2歳馬とは思えないほど楽に動いてくれました」
さらに調教を積まれるうちに、どんどんやる気が感じられるようになったと続ける。
走る気を出さなかった新馬戦。
そうして迎えたのが2歳の7月、函館での新馬戦。ルメールを背に乗せたこのデビュー戦で単勝1.2倍の圧倒的1番人気に支持された。
しかし、「ゲートが開いた時からトボけて」(矢野)アオり気味のスタート。後方を追走すると、3コーナーでは早くも鞍上の手が激しく動いた。ゴール前は急追する伸びを見せたものの3着まで追い上げるのが精一杯。人気を裏切る形に終わってしまった。
その走りは、矢野の言葉とは裏腹、道中のやる気を感じさせないモノだった。
「調教の手応えでは、掛かり気味に行って逃げ切り勝ちまであるかと思っていました。ところがゲートが開いたらフワついて自分から走る気を出しませんでした。『牧場から言われたことが、ここで出たか?!』という気持ちでした」
こんなはずでは無いという指揮官の思いは、すぐにあかされることになる。