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新日エース棚橋弘至が「蘇る」宣言。
オカダ・カズチカと最後のIWGP戦!?
posted2018/04/23 17:00
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
試合を終えた棚橋弘至は後楽園ホールの階段に座っていた。
やがて立ち上がると記者たちに囲まれた。棚橋は意を決したようにはっきりと言った。
「オカダの防衛ロードなどクソくらえだ」
4月13日のことだが……棚橋がここまで強く言うのは至極珍しい。
棚橋は5月4日の福岡国際センターでIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカに挑戦することが決まっている。記録的にはV11で棚橋の記録に並んだオカダの12度目の防衛戦。オカダは「数字にはこだわらない」というが、12回防衛すれば同王座の防衛新記録になる。
だからこそ、棚橋は、この試合に負けるわけにはいかない。
「1回死んだものが復活するっていう……」
「チャンピオンになっていない期間が長かったから、チャンピオンがどういう人間かっていうことを考える時間がたくさんあった。
会場を満員にすること、会社の選手と社員、その家族を養うことも、もちろん大事。
けれども、見えないところで、団体を正しい方向に導く仕事、ある(既成の)線路の上を走り続けることではなくて、新しいレールを敷くこと、ない道を作ること。オレがやってきたことって、そういうことだと思う」
棚橋は冷静に言葉を選んだ。
「蘇りますよ。いい言葉ないかなって思っていたんです。
戻るとか、もう1度とかいうのは、(今までの)棚橋の繰り返しみたいになっちゃうんだけれども、蘇るっていうのは、1回死んだものが復活するっていうニュアンスがある。
それはオレだけが感じている復調への兆し。戻ってきている。
ヒザも曲がる。
飛べる。
走れる」