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新日エース棚橋弘至が「蘇る」宣言。
オカダ・カズチカと最後のIWGP戦!?
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2018/04/23 17:00
ついにオカダ・カズチカと4勝4敗2分の決着をつけることとなった棚橋弘至。エースとして、完全復活できるか!?
自分自身でさえ「棚橋弘至は死んだのか」と。
棚橋にとって失敗続きだった復活ロードの幕がやっと開いたというのが実感だろう。自分でもこんなに困難を極めるとは思っていなかったはずだ。
いつの間にか「ちょっくら」なんていっている状況ではなくなっていた、ということか。
ニュージャパンカップでも優勝できずに、準優勝。今回は2番手での王座挑戦という形になった。
オカダに「(休んでばかりいて)そんなのレスラーじゃない」と揶揄されても、黙っているしかなかった。
それくらい棚橋は落ちるところまで落ちた。
そして自分自身でさえ「棚橋弘至は死んだのか」と感じるまでに至った。
でも、その自分自身が感じた復調の兆しに「蘇る」という言葉を選択して、棚橋はそれをエネルギーにしたのだ。
「エネルギーを使っているつもりが、エネルギーを吸収している。アウトプットしながら、インプットもしている。これは、今までできなかったことかもしれない」
「なかなかオカダに火がつかない」
棚橋はおちゃらけのようにも見える新ユニット“タグチジャパン(田口隆祐、棚橋弘至、中西学)”が気に入っている。
だから、そのキャプテンマーク「C」のアームバンドも堂々と巻いてみた。これもエネルギーの吸収なのかもしれない。
「なかなかオカダに火がつかない。でも、すごく似ているんだよね、2012年のあの時のオレと。おごっていた棚橋のシチュエーションと、よく似ている。
今のチャンピオンは試合もダントツで、コンディションも良くて、人気もあってね。全部持っている。オレはその逆。
これで勝てたら奇跡?
いや、オレはそうは思わないね。2012年の棚橋が負けたように、2018年のオカダが負けることだってある」