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川内優輝、ボストンマラソン優勝!
市民の星から「世界のKAWAUCHI」へ。
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byKeith Bedford/The Boston Globe via Getty Images
posted2018/04/18 17:20
ケニア人選手ら世界のトップランナーをはるか後方に従え、名門大会ボストンマラソンのトップを快走する川内優輝。
川内の走りに一切の迷いは無かった。
しかし先行する川内を吸収するたびに集団はペースを落としていた。それを嫌う川内が再びペースを上げる。
その攻防が何度か続く。
しかし川内に迷いはなく、できる限りペースを保つ努力をした。
26kmすぎから昨年覇者のキルイが集団から抜け出た際も川内は落ち着いていた。差は一時2分近く開いたが、川内は諦めることなく前を追い続け、40kmでついに首位に立った。
向かい風がきついボストンマラソンではスタートから20kmまで先頭を引っ張った選手は勝てないというジンクスがあるが、川内はそれも打ち破って見せた。
海外でマラソン偏差値と経験値をアップ!
海外でもマラソン経験豊富な川内が、海外のメジャー大会でデビューしたのは2013年ニューヨークシティマラソンだった。世界陸上以外では初の大きなレースとあって、浮き足立っているように見えた。
ニューヨークはペースメーカーをつけない、いわゆる選手権スタイルで知られるが、その分、前半から細かい駆け引きが多く、消耗も大きくなる。
川内はレース中に大集団の前後をウロウロするムダな動きが多く、11位という結果に終わっている。
リベンジを狙った翌年も思うようなレースができず、同じく11位。
しかし再度のリベンジを期して臨んだ2015年のニューヨークシティマラソンでは終始落ち着いたレース運びで6位入賞を果たしていた。