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ヴィッセルの大型新人・郷家友太。
高校生が「プロ意識」を掴むまで。
posted2018/04/08 08:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
J1第5節・柏レイソルvs.ヴィッセル神戸の一戦で、神戸の高卒ルーキー・MF郷家友太がスタメンフル出場を果たした。
183cmと大型だが、足下の技術と判断力に秀でているのが特長だ。もともとベガルタ仙台ジュニア時代から注目を浴び、着実に成長を遂げてプロの舞台にやってきただけに、期待値は非常に高い。
シーズン前のキャンプで吉田孝行監督の信頼を掴み、3月7日のルヴァンカップ初戦のV・ファーレン長崎戦で先発。ホームでプロデビューを果たした。
その勢いをかって、第4節のセレッソ大阪戦でリーグ初出場をスタメンで飾り、89分までプレー。チームも2-0と今季リーグ戦初勝利を手にした。
郷家はさらに、代表ウィークに行われたU-19日本代表インドネシア遠征にも参加。そこから帰国して2日後に、柏戦で2試合連続スタメン出場を果たしている。
「前節のセレッソ戦では、相手の間につけてボールを受けることで攻撃のリズムを作ってくれた。彼にとっては強行日程でしたが、インドネシアと日本の時差は2時間でしたし、まだ若いので大丈夫だろうと起用しました」
試合後の記者会見で吉田監督が語ったように、高卒ルーキーに絶大な信頼を寄せていることが分かる起用だった。
ミスが少なく、常に要所に絡む郷家。
試合において、郷家がボールを触る回数はそれほど多くない。ワンタッチでシンプルにボールをさばくプレーが多いのだ。
そして、彼のプレーはミスが少ない。
リスクを負っていないとも言えるが、それを差し引いても彼のワンタッチプレーはその局面で円滑にボールを動かし続けることに多大に寄与している。
そして特筆すべきは、数少ないチャンスに毎試合必ず絡んでいるということだ。