草茂みベースボールの道白しBACK NUMBER
イチローと岩瀬、日米最年長の共通点。
初動負荷理論は不老不死の薬なのか?
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byKyodo News
posted2018/03/29 11:45
プロ野球最多404セーブを誇る岩瀬は42歳で迎えた昨シーズン、50試合に登板して、日本新記録となる950試合登板も達成した。
筋力トレーニングというよりストレッチに近い。
「一般の人でも肩がこった、腰が張ったってあるでしょ? あれ、筋肉が硬くなったりして自由度が減っているんです。
アスリートだとパフォーマンスダウンの要因となる。筋肉の柔軟性と関節の可動域を広げる。それが故障しにくい体をつくることになり、パフォーマンスアップにつながるんです」
通算219勝を挙げた山本昌氏の言葉によれば、筋力トレーニングというよりストレッチに近いかもしれない。
山本氏の入門は1995年。岩瀬やイチロー(1999年前後)より早く、いわば兄弟子だ。左膝を手術し、リハビリに取り組もうとしていた時期に、たまたま縁あって中日がワールドウィングのトレーニングマシンを導入した。
1年間で絶好調なのは3~4試合だけだった。
好奇心の強い山本氏は鳥取市まで行ってみたところ「衝撃を受けました」。
すでにタイトルを獲得しており、自らの状態を把握することはできた。その一方で30歳となり、少しずつスタミナの低下も感じるようになっていた。
「年間30試合投げるとして、絶好調といえるのは3、4試合あるかないか。ところが3日間トレーニングをやっただけで、その状態になったんです」
衰えの影を感じたところから20年間。現役最後の登板は50歳と57日という長寿の代名詞のような存在だ。
そんな「投げる最年長記録」までが実践してきたトレーニングなのだから、偶然だと片付ける方がおかしいだろう。