野球未経験の小山氏から野球のアドバイス!?

　岩瀬が言う「発見」には技術的な部分が多く含まれている。

　同施設には簡易のブルペンがあり、そこで投手は普通に投げる。それを小山氏が見てアドバイスするのだ。念のために書くが同氏はボディビルダーであって、野球経験はない。

「だからといって技術的なことを言われても僕は抵抗はなかったですね。自分には御山の大将でいられる時期がなかったからかな、それに当時の僕は自分に不安があったから、素直に納得できたんです」

　こう話す山本氏といえば、一般的にはぎこちない投球フォームというイメージだが、小山氏に「美しいフォームだね」と言われたことが強く印象に残っているそうだ。小山氏は骨格、関節、筋肉の役割、仕組みを熟知しており、理にかなったフォームに見えたということだ。

Jリーガーやゴルファーまでも門下生に。

　山本氏や岩瀬から引き継ぐように、現在も田島慎二、祖父江大輔ら中日の投手陣はワールドウィングでシーズンオフのトレーニングを続けている。

　他競技でも陸上やJリーガーなど幅広いが、ゴルフの青木功も門下生。こちらも75歳で現役を続けている。

　遠い昔、秦の始皇帝の命を受け、不老不死の薬を探し求めたという徐福伝説。薬は見つからず、徐福も帰国できなかったとされ、各地に伝承だけが伝わっている。現代の「皇帝」の座にいる一流アスリートほど、求めたくなるのが「永遠の現役」だろう。

　それを可能にする薬は、ひょっとして鳥取市にあるのかもしれない。