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ベガルタ一筋、J1通算200試合目前。
菅井直樹とスケート加藤条治の絆。
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/03/28 16:30
好調な出だしを見せた仙台にあって、菅井直樹は最終ラインから存在感を見せつける。
俺のクロスはたまたま。珍しいでしょ?
右サイドの職人として強くこだわりは持ちつつも、その場ですぐに「試合に出たいので挑戦したい」と素直に受け入れた。沖縄1次キャンプでは「まあ、やるしかないでしょ」と吹っ切れたように笑っていた。開幕前から意欲的に取り組み、練習試合では3バックの右でプレー。いざリーグ戦が開幕すると、右アウトサイドとして3試合に途中出場している。
「難しい部分もあるけれど、チームが勝てばそれでいい」
3節の神戸戦では右サイドを駆け上がり、ゴールラインぎりぎりで折り返して、ゴールのきっかけをつくった。
「俺のクロスは、たまたまだから。珍しいでしょ?」とふっと笑う。
J1・J2通算で40ゴールを挙げている。主に右サイドバックとして出場しながらも、プロとしてこだわってきたのはゴールネットを揺らすこと。セットプレーでこぼれ球に詰めるのは十八番。左クロスに逆サイドから飛び込んでいく迫力も、FWと見間違うほどだ。3バックに入っても、ゴールを狙う姿勢は変わらないという。
「そこは、ずっとぶれていない」
ベテランの言葉には力がこもる。
何に向かっていくか? ゴールでしょ。
小学校時代は主にFWで、中学時代はトップ下。高校時代は攻撃的なボランチとして評価され、仙台入りした。転機はプロ4年目だった。ブラジル人のジョエル・サンタナ監督に急きょ右サイドバック(アウトサイド)にコンバートされて、プロで生き残っていく術を自分なりに考えた。
「俺はクロスもうまくないし、特別にスピードもない。いかに点を取るか突き詰めていこうと思った」
座右の銘は勇往邁進。
「何に向かっていくか? ゴールでしょ。俺にとって大事なのは、ベガルタでゴールをたくさん重ねていくこと。その道に邁進する。(J1・J2通算)50点は取りたいね」