燕番記者の取材メモBACK NUMBER
ルーキー“第1号”を打った村上宗隆。
高津二軍監督「松井というより筒香」。
text by
浜本卓也(日刊スポーツ)Takuya Hamamoto
photograph byKyodo News
posted2018/03/26 16:30
九州学院高からドラフト1位でヤクルト入団。188cm、97kgという恵まれた体格を生かした強打が期待されている。
清宮、安田、中村が注目されているが。
だからこそ“プロ初安打”の一夜明けで、ルーキーらしからぬ反応を見せた。3月18日に2安打を放った後、友人や知人らから“プロ初安打”を祝うメッセージがたくさん届いた。「みんな『ヒット、おめでとう』って言ってくれました」と満面の笑みで声を弾ませた。その直後だった。「でも」と落ち着いたトーンで紡ぎはじめた言葉が、なんとも村上らしかった。
「もっともっと活躍して、それ(ヒット、おめでとう)を言われないようにしたいです。打って当たり前、と思われるようになりたいです」
高卒ルーキーといえば、日本ハム清宮、ロッテ安田、広島中村奨が注目されている。村上は「3人の方が上。追いつけ追い越せ、で頑張りたい。元気の良さでは負けたくないです」と言う。確かに、走攻守、すべてにおいてレベルアップが必要なのは間違いない。だからこそ、焦らずにしっかり地に足をつけ、近未来に大輪の花を咲かせてほしいと願っている。
でも、いい意味で、そんな思いを裏切ってくれるのではないかという気持ちもある。3月23日のイースタン・リーグのロッテ戦に「4番三塁」でスタメン出場した村上が、他の3人よりも先に“プロ1号”を放った。球史に残るスラッガーのように「不動の心」と「長打力」も“持っている”男だけに、数年後とはいわず、今季中に神宮を大歓声で沸かせても、記者はまったく驚かない。