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トランプ政権に戦いを挑む黒人選手達。
「俺たちは黙ってドリブルなんてしない」 

text by

及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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photograph byGetty Images

posted2018/03/16 11:15

トランプ政権に戦いを挑む黒人選手達。「俺たちは黙ってドリブルなんてしない」<Number Web> photograph by Getty Images

スーパースターとして、そして、1人のアフリカ系アメリカ国民として声を上げたレブロン。

「君たちの勇気ある行動に刺激を受けている」

 少年ファンの不幸な死が彼の感情に火をつけたのだろう。ウェイドの活動はこれに収まらず、その後、同校を突撃訪問し、銃規制を訴えて立ち上がった高校生たちに「君たちの勇気ある行動に刺激を受けている。俺も協力するから」と全面協力を約束。活動に対して20万ドル(約2100万円)を寄付することを発表した。

 オクラホマシティ・サンダーでプレーするカーメロ・アンソニーも「俺もウェイドと同じ考えだ。俺たちのホームタウンも暴力で溢れていたが、もう止めなきゃいけない。地元とボルチモアの学生を支援する。NBA選手団体はみんなの寄付に対して25万ドルをマッチする。さぁ、ボールを回そうぜ」と銃規制を訴える高校生たちの活動を支援している。

スポーツ選手も声を上げる時代だ!

 スポーツ選手は政治について話すべきではない、という意見は時代遅れだ。

 レブロン・ジェームズの「子供達に影響力があるからこそ、声を上げなきゃいけない」という言葉は力強い。

 叩かれても、差別されても戦い続ける選手たち、彼らと同じように政権に戦いを挑む高校生、それを支援する選手たち。

 彼らがアメリカに明るい光をもたらしてくれると信じたい。

NumberWebの新連載『Overseas Report』では、ニューヨーク在住のジャーナリスト及川彩子氏の視点から、アメリカを中心に、国際的に話題となっているアスリートと社会の問題を積極的に取り上げます。次回もお楽しみに!
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