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ボルダリングとはちがう難しさを実感。
リードの奥深さと日本人選手の可能性。
text by
津金壱郎Ichiro Tsugane
photograph byShigeki Yamamoto
posted2018/03/19 11:00
リードW杯での優勝経験がある是永敬一郎が今大会を制した。
力を入れる箇所と抜く箇所を見極める。
今シーズンからW杯にデビューする伊藤ふたばはボルダーの比重が大きくなっているなかで、「思い切って行くところは思い切って行くんですけど、そこ以外の簡単なところでは余力を残すように意識していました。常に指先に力が入ってしまうと、持久力がなくなるので」と、1本のルートのなかで力を入れる箇所と抜く箇所を見極めたことで好成績に繋げた。
2年半後の東京五輪で実施されるスポーツクライミング複合種目は、「ボルダリング」、「リード」、「スピード」の3種目の複合成績で争われる。現状でも各国が認める実力を誇る日本は、スポーツクライミング大国と言っても過言ではないが、そこにユース年代が頭角を現し、トップ選手たちが突き上げられることで、さらなる飛躍を遂げることになるはずだ。そして、その先には東京五輪でのメダルが待っている。
4月から本格的に始まるスポーツクライミング・シーズンで、シニア年代からユース年代までのスポーツクライマーたちが、どんな成長を見せてくれるのか、ますます目が離せない。