フランス・フットボール通信BACK NUMBER
中国サッカーバブルの終焉か。
外国人選手の爆買いが激減した事情。
posted2018/03/07 11:00
text by
ロベルト・ノタリアニ with ナビル・ジェリRoberto Notarianni avec Nabil Djellit
photograph by
SABRIE GILLES
『フランス・フットボール』誌2月27日発売号では、3月2日に開幕を迎える中国スーパーリーグ(CSL)をレポートしていた。
この2年間というもの中国のクラブは、巨額の資金を湯水のごとく移籍市場に投入して、世界のサッカーバブル加熱の一翼を担ってきた。だが、今季のスーパーリーグに向けてのこの冬の選手移籍は、それ以前に比べ極端に控え目で地味であった。
一時的な現象にすぎないのか?
それとも根本的な変化が中国で起こっているのか?
ロベルト・ノタリアニ、ナビル・ジェリ両記者が核心に迫った。
監修:田村修一
今季はスター選手でなく戦術に注目!?
彼らは中国サッカー界の現状に対して自分たちは無力だという体を装っており、その輝かしい未来も決して語ろうとはしない――だが、この中国スーパーリーグ(CSL)に跋扈する、そんなプロモーターたちの言葉を素直に信じるわけにはいかない。
2004年に創設されたCSLは、3月2日に15年目のシーズンが幕を開けた。開幕戦を飾るのは広州ダービーで、現在リーグ7連覇中の広州恒大vs.広州富力である(註:結果は5-4でアウェーの広州富力の勝利)。
彼らプロモーターたちが一押しで推薦するのはブラジルのフッキやパト、オスカル、アルゼンチンのラベッシやマスチェラーノ、ベルギーのアクセル・ビツェルといった外国人のスター選手たちであるが、今季に関しては、それぞれのクラブの戦術面も注目して欲しいという。
というのも広州恒大のファビオ・カンナバーロをはじめ河北華夏幸福のマヌエル・ペジェグリーニ、江蘇蘇寧のファビオ・カペッロ、天津泰達のウリ・シュティーリケ、天津権健のパウロ・ソウザなど、ヨーロッパでもトップクラスの監督たちがベンチに控えているからである。