ROAD TO THE DERBY 2018BACK NUMBER
ダノンプレミアムは真にプレミアム。
中内田調教師が生かす海外での経験。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byPhotostud
posted2018/02/28 07:30
朝日杯を圧勝したダノンプレミアム。王座に最も近い位置でクラシック戦線の開幕を迎える。
中内田調教師「品のある馬」
続くGI・朝日杯フューチュリティSではさらに8kg増の490kgという体で堂々の1番人気に支持された。
そして、その競馬ぶりもまた1番人気馬らしいあっぱれなモノだった。最内1番枠から出走16頭の中で最も速いスタートを切る。それでも他馬をハナに行かせて抑えるのは、初戦、2戦目と同じ形。
終始好位のインを絶好の手応えで進むと、直線に入るやすぐに先頭に。ラスト1ハロンで2番手以下との差を一気に広げると、ゴール前は余裕たっぷりに流す競馬。GIでこれほどまでの楽勝があるのか!? と思わせるレースぶりで一気にGIホースとなると同時に最優秀2歳牡馬の座も手中に収めてみせた。
クラシック戦線を前に暫定王者といってよいこの馬を管理するのが栗東の中内田充正調教師だ。まずは彼に、ここまで3戦、いや、最初にみた時の印象から述懐していただこう。
「初めてみたのはこの馬がまだ当歳(0歳)の時でした。バランスがとれて品のある馬だと感じました。その後、成長してもその印象はずっと変わりませんでした」
デビュー戦に向けて考えた条件は?
入厩後はまさに「優等生」と評してよいほど、いたって順調に調教を積まれてきたと言う。
「こちらが要求したこと全てに応えてくれる感じでした。ゲート試験も難なくクリアしたので、デビュー戦は広い競馬場のワンターンで、と考えたら自然と阪神の1800mになりました」
先述した通り、掛かり気味になりながらも押し切った競馬ぶりに関しては次のように評価した。
「ジョッキーには調教でも乗ってもらい『将来を考えたら逃げて勝つというより、抑える競馬を教えていこうか……』と話しました。スローペースだった分、掛かったけど、なんとか2番手に抑えて勝てたから、まずは予定通りと言えました」
初めての実戦でもそれほどうるさくならなかったのも良かったと言い、「このパフォーマンスなら2戦目もある程度、自信を持って臨めました」と続ける。