ROAD TO THE DERBY 2018BACK NUMBER
ダノンプレミアムは真にプレミアム。
中内田調教師が生かす海外での経験。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byPhotostud
posted2018/02/28 07:30
朝日杯を圧勝したダノンプレミアム。王座に最も近い位置でクラシック戦線の開幕を迎える。
中内田調教師が海外で学んだ経験。
私が中内田と初めて会ったのは1990年代。まだ彼が学生の頃で、場所はフランスだった。当時、イギリスの学校で馬学を学んでいた彼は、本場エプソム競馬場で行われるザ・ダービーを観戦していた。
「2001年にはガリレオがダービーを勝つところも現地で観ました」
ただ、当時はダービーといっても自分とは関係のない話だった。
しかし、翌'02年には一気に他人事ではなくなった。アメリカへ渡り、ロバート・フランケル厩舎で働くようになった彼はこの年、厩舎の管理馬であるメダグリアドーロが有力候補の1頭としてケンタッキーダービーに名を連ねるシーンに立ち会ったのだ。
さらに翌'03年には毎朝、自らが調教をつけていたエンパイアメーカーがケンタッキーダービーで1番人気に支持された。
「取材が多くて、いま思うと僕が舞い上がってしまいました。自分が新聞の1面に載っているのをみて、嬉しくなり、その後冷静に馬と接していたか、はなはだ疑問です」
もちろんそれだけが原因ではないが、エンパイアメーカーは1番人気に応えられず2着に敗れてしまう。
こういった経験を経て、現在は「ダービーだからどうしても!!」と気張ることはなくなったと言う。指揮官の心中も気にしつつ、ダノンプレミアムが今後どのような競馬をするのか、注目してみたい。