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森岡亮太が考える代表と背番号10。
ベルギー名門で早くも中心選手に。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2018/02/27 11:00
「テクニカルな攻撃的MF」という日本の名産品の流れを今もっとも色濃く継いでいるのは、森岡亮太かもしれない。
アンデルレヒトにとって優勝は義務。
もちろん、加入したアンデルレヒトではそれだけの活躍をしなくてはならない。
アンデルレヒトは過去10シーズンで5度優勝。首都ブリュッセルが本拠地の名門は、言ってみれば優勝を義務づけられた存在なのだ。ちなみに、ベルギーリーグは欧州の中でも独特な方式をとっており、ホームアンドアウェイの合計2度総当たりのリーグ戦を行ったのち、1位から6位までで再びリーグ戦(プレーオフ)を行って、優勝や欧州カップ戦の出場チームを決める。
そのプレーオフにより有利な形で臨むために、できるだけ順位を上げたいという状況の中で森岡は獲得された。1月末の移籍というと冬のマーケット終了目前で、後半戦が数試合始まっているという状況のリーグがほとんど。
だがベルギーリーグの場合、2月最初の試合が全30節のうちの第25節、リーグ戦自体は残り6試合しかない状況なのだ。ドイツや他の主要リーグの冬の移籍に比べ、より即座に結果を出すことが求められる、重要な役割を担うと見ていいだろう。
監督のイメージが「だいぶクリアに」。
そして森岡は、デビュー戦で失敗と成功を同時に体験した。
2月4日、第25節メヘレン戦でいきなりアシスト。だが2-2で迎えた80分にはPKを失敗。ただのPK失敗ではなく最下位相手の勝ち越しチャンスでミスしたこともあり、チームはドローと冴えない結果に終わり、デビュー戦から賞賛と批判にさらされることになった。
続く26節では先発したもののぱっとせず、第27節は途中出場と消化不良。「適応には時間がかかる」とバーゼブリュック監督がコメントする中で迎えた第28節での大活躍だったのだ。
求められることにも、徐々に適応できている手応えがある。
「前のベフェレンでは本当に自由にやらせてもらってたけど、ここではポジションを意識してそこからスタートする形が多い。今まではボールに絡めてたけど、少し状況を見て走る、ランの回数を意識するようになったというか。
自分が1対1を作ってあげるパスを出してたのが、自分がもっとゴール前に抜け出して1対1になるシーンを作るとか、やっぱり違うことを求められている。ここに来てから、監督のイメージを自分に落とし込んでいく作業をずっと続けていて、それがだいぶクリアになって来てる感じがしますね」