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森岡亮太が考える代表と背番号10。
ベルギー名門で早くも中心選手に。
posted2018/02/27 11:00
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Getty Images
ベルギー1部リーグの名門アンデルレヒトで背番号10を背負う森岡亮太は、実は8年強のプロキャリアの半分以上を背番号10で戦う男でもある。
1991年生まれの森岡は2010年に神戸に加入。4シーズン目のJ2で戦うこととなった2013年から、3シーズン背番号10を背負った。神戸在籍中の'14年にはアギーレ監督時代の日本代表に初選出される。この時の背番号も10だった。
2015年、神戸での6シーズン目を終え、冬の市場でポーランドはブロツワフに移籍。初の移籍であり、初の海外挑戦ながら背番号10を与えられた。ここでは1年半プレーし、'17年夏にベルギーのベフェレンへ。ベフェレン時代に背負った背番号44は、神戸時代最初につけた背番号14を思い起こさせた。この番号は、森岡自身が選択したとクラブが発表している。
そして、半年で名門へと飛び立ち、再び背番号10を背負うというわけである。
背番号10は攻撃的MFの、とりわけ重要な選手がつけるのが世界の共通認識だ。それを背負うのは、どのような気持ちになるものなのだろうか。
「テンションが変わるというよりも、まわりからの見方が変わるというか。だって記事とかでも結局、最後に10番を任された男のなんちゃら……で締めるじゃないですか。そういうところに番号が出てくるっていうくらいですよ」
背番号によって他者からの認識は変わるが、本人にとっては特に気にするものでもない、という意味合いのことを言い、森岡は一呼吸置いてこう付け加えた。
「だから10番ってすごいんだなと思いますけど」
移籍金があっという間に10倍に。
森岡が2ゴール1アシストに加えてPKを獲得し、3得点に絡む活躍を見せたこの日、ミックスゾーンでの最後のやりとりだった。ようやく期待に応える結果を出した森岡は、終始にこやかだった。
言うまでもないが、森岡は大きな期待を背負ってアンデルレヒトに加入した。'17年夏に加入したベフェレンでは7ゴール11アシストの活躍で注目を浴びた。メディアによって多少前後はあるが、およそ30万ユーロと言われる移籍金でヴロツワフから購入した、めったにない掘り出しものだったわけだ。
それがこの活躍で約300万ユーロでアンデルレヒトへ移籍することになった。ポーランドから世界を広げてくれたベフェレンには、とびきりの恩返しとなった。