フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ザギトワ金、メドベデワ銀の歴史的激戦。
宮原4位、坂本6位も大健闘と称えたい!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2018/02/24 11:50
世界最高得点での金メダル、上位選手のほとんどがノーミスと、史上最高レベルの激戦になった女子フィギュア。
自己ベストで銅メダルを手にしたオズモンド。
カナダのケイトリン・オズモンドは、『ブラック・スワン』のプログラムで3フリップ+3トウループから演技を開始。
3ルッツでステップアウトしたものの、立て直して残りをノーミスで滑り切り、フリー152.15、総合231.02で3位を保った。カナダ女子のオリンピックメダルは、2010年バンクーバーオリンピックの、ジョアニー・ロシェット以来である。
「今日はずっと緊張していたけれど、このプログラムはいつも練習で楽しんで滑っているプログラム。だから、試合で早く見せたいという気持ちもありました。
2010年にバンクーバーオリンピックでジョアニーがメダルをとったのを見たとき、すごいな、自分にはとてもできない、と思ったのを覚えています。だからここで自分がやり遂げたことが、まだ信じられません」と喜びを語った。
惜しくも4位だった宮原知子。
トップ3人とも、素晴らしい演技だったが、日本の2人も負けないほどの演技を見せた。
SP4位だった宮原知子は、『蝶々夫人』のフリーで、3ループから演技を開始。
3ルッツ+3トウループ、3フリップ、そして方向を変えて回る、2度のコンビネーションジャンプ。ステップシークエンスも丁寧に滑り切り、後半のジャンプも全て決まった。
最後のスピンを終えてポーズをとると、宮原には珍しく、まったく照れのない思い切りの良いガッツポーズをとった。
7度の3回転ジャンプ、すべての回転が認定されていた。フリー146.44、総合222.38と自己ベストを更新して、笑顔が出た。
「今回は自分に勝つというよりも、自分を信じるということを意識して滑りました」と宮原。オリンピックという特別な舞台も、「自分のやってきたことを信じて思い切りいけば、しっかり楽しめる試合だというのは感じました」と、惜しいところでメダルを逃したが、良い思い出の大会となった。
「(メダルを逃して)悔しい気持ちもありましたけれど、もっと頑張るしかないなと思いました。自分の点数が出たときは自己ベストだったので、チャンスはもしかしたらあるかもしれないと思いましたけれど、みんなノーミスで完璧だったのでやっぱり違うなと思いました」
4年後もオリンピックに戻りたいという気持ちは強くなったが、体調と相談しながらスケートを磨いていく、とすでに次へ目を向けた。