フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
歴史的激戦制したバーチュー&モイア。
アイスダンスは世界記録の金メダル!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA
posted2018/02/21 11:15
歴史に残る高レベルでの争いになったアイスダンス。バーチュー&モイア組は、世界歴代最高点で2大会ぶりの金メダルに。
フリーでは上に行くも総合で敗れたフランス。
パパダキス&ギョームのフリーは、ベートーベンの『月光ソナタ』である。
アメリカン・バレエ・シアターのプリンシパルダンサー、ジェフリー・チリオに指導を受けたというこの作品で、今季は何度か世界歴代最高スコアを更新させてきた。
エレガントで流れのある、素晴らしい滑りだった。
5コンポーネンツのうち、パフォーマンスと音楽の解釈とタイミングの2部門で、10点満点を獲得。フリー123.35で、総合205.28とわずかにおよばず銀メダルになった。
「自分たちのベストに近い、すごく良い滑りができたと思う。できれば金メダルが欲しかったけれど、後悔することは何もないです」とパパダキスが感慨深そうにコメントした。
3位争いを制したマイア&アレックス・シブタニ。
3位の争いは、マイア・シブタニ&アレックス・シブタニとマディソン・ハベル&ザカリー・ドナヒューの、アメリカの2チームだった。
ショートダンスで僅差で上に立ったのは、新全米チャンピオンのハベル&ドナヒューのほうだった。
だがフリーで、後半の見せ場のトゥイズル(片足で回転しながらの移動)の部分で、ドナヒューがバランスを崩して転倒した瞬間、勝負は決まった。
マイア&アレックス・シブタニ兄妹が総合192.59で銅メダルを手にした。アメリカは団体戦でも銅メダルを手にしているので、彼らは2つの銅メダルを手にしたことになる。
「自分にとっては金メダルのような気持ち。信じられない思いです。結果がどうなろうとも、絶対に後悔のない演技をしようと思って滑りました」と兄のアレックスが語った。
彼らは日系アメリカ人だが、アジア人がアイスダンスのオリンピックメダルを獲得したのは、今回が初めてのことだ。