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武藤嘉紀の言葉が、面白くなった。
「耐えて耐えて……ヒーローにね」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2018/02/19 10:30
今季ブンデスでは22節終了時で6ゴール。低空飛行が続くチームにあって、武藤は着実に結果を残している。
ドイツ語の勉強も貪欲に取り組んで。
最近、ドイツ語でインタビューを受ける姿も話題になったが、ドイツ語の勉強の時間も増えたのだという。新しい単語を知るたびに、iPhoneのメモ帳に単語を入力する作業はもうしていない。ただ今もなおドイツ語の家庭教師に来てもらい、特訓を受けている。
「知らない言い回しだったり、関係代名詞なんかを勉強したり(笑)。とにかく、ドイツ語を使って、覚えるみたいな。ノートには書いていますよ」
武藤は貪欲に、物事に取り組む選手だ。
人は年齢を重ねるとともに、無駄なことを省き、できることを磨いていくものだ。それは、成熟と言えるだろう。
ただ、若いうちこそ必死に様々なことに取り組まなければ、歳を重ねてから無駄なものを省く行動をするのは“手抜き”である。
成熟できるのは、若いうちに努力した者だけ。
その貪欲さを武器に、武藤は今の苦境を跳ね返そうとしている。