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石川祐希が3度目のイタリアで確信。
「日本だけじゃなく世界を基準に」
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byTakahisa Hirano
posted2018/02/09 08:00
世界最高峰の舞台、セリエAで挑戦中の石川。3月には大学卒業を迎え、その後の進路にも注目が集まっている。
前回は12月だった合流を大幅に前倒し。
石川がラティーナでプレーするのは2度目となる。昨シーズンは12月のインカレでケガをしてからの合流だったこともあり「今季こそは勝負の年」と意気込んでいた。
事実、前回とは異なり、9月のワールドグランドチャンピオンズカップを終えたらすぐにチームと合流した。技術面のレベルアップだけでなく、今季は元イタリア代表のウィングスパイカー、クリスチャン・サバーニや、セルビア代表のオポジット、サーシャ・スタロビッチなどが加わったメンバーの中でポジション争いを繰り広げることも、石川にとっては大きなテーマだった。
そう、当初の予定では。
ワールドグランドチャンピオンズカップのフランス戦で、相手のサーブをレシーブしてから攻撃に入る際、右膝を負傷した。診断は右膝内側側副靭帯損傷。大事をとって残りの試合は欠場した。そのまま国内でリハビリを行うという選択肢もあったが、チームとの契約もあり、予定通りの日程で10月にラティーナへと渡った。
ようやく思い描いたルートにたどり着いた。
まずはリハビリメニューを中心に、そこから徐々にパフォーマンスアップのためのトレーニングへ移行し、11月下旬から全日本大学選手権で一時帰国。中央大の選手として臨む最後の大会を3位で終えた石川は、再びラティーナへ戻った。
その後、徐々に試合出場の数を増やし、1月14日のピアチェンツァ戦で今季初スタメン。フルセットの末に敗れはしたが、ジャンロレンツォ・ブランジーニ監督も「(ピアチェンツァ戦の)ユウキは素晴らしかった。膝の状態は心配だが、今の彼ならば問題ない」と期待を寄せ、自身にとっては初となるモデナ戦でのスタメン出場へとつながった。
ようやく思い描いていたルートにたどり着けた。石川はそう言う。
「本当だったらスタートの状態からやりたかったな、というのはありますけど今はどうしようもないし、タラレバを言ってもしょうがない。今、こういうふうにちょっとずつできるようになっているのはよかったし、少しずつですけど、アピールというか、自分のいい面は見せられているのかなとは思いますね」