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ブルワーズ大型補強とダルビッシュ。
争奪戦は最終局面、カブスが全力か? 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2018/02/02 08:00

ブルワーズ大型補強とダルビッシュ。争奪戦は最終局面、カブスが全力か?<Number Web> photograph by AFLO

今冬のFA市場はメジャー史に残る停滞となっている。それでもダルビッシュの実績には複数球団が興味を示している。

カブスは右投手をなんとしてでも補強したい。

 もうひとつ光る補強はケインの獲得だ。

 ケインは、ホズマーやマイク・ムスタカスと並んで、2014年と'15年に黄金期を形成したロイヤルズの中軸を担っていた選手だ。野球をはじめたのは高校に入ってからで、リトル・リーグ出身者の多い最近の潮流からはちょっと外れる。そのせいか晩成型で、ブレイクしたのは2014年、28歳を迎えてからだった。

 ただ、その後4年間の成績はめざましい。

 平均すると、打率3割/出塁率3割5分2厘/長打率4割3分7厘。OPS+は113で、盗塁の合計は96。'15年などはWAR=7.2を記録し、MVP投票の第3位に食い込んだほどだ。

 守備範囲の広さも驚異的で、左中間と右中間は彼の庭と呼んでもおかしくない。

玉突きで……カブスまでも獲得合戦に参戦!?

 イェリッチとケインを補強したことで、ブルワーズの外野は強力な布陣となった。左から、ライアン・ブラウン(球団の顔)、ケイン、イェリッチが並ぶ。すると、'17年にめきめきと頭角を現したドミンゴ・サンタナ(30本塁打、OPS+は126)がはみ出してしまう。

 そこで考えられるのが、サンタナを他球団に金銭トレードで出し、その金を原資にアリエータを獲得する算段だ。

 アリエータのFA価値は、4年総額1億1000万ドルと巷間伝えられている。先発投手陣に切り札のいないブルワーズとしては、アリエータは喉から手が出るほど欲しい存在だ。逆にいうと、アリエータを失った(再契約の可能性は限りなく低い)カブスは、軸となる右投手をなんとしてでも補強したい。

 と書けば、玉突き現象と聞こえかねないが、カブスがダルビッシュ獲得に全力を注ぐ可能性は、ますます高まってくる。

【次ページ】 ブルワーズがダルビッシュに手を伸ばす可能性。

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