球道雑記BACK NUMBER
妻の献身とフォーム改造の試練……。
ロッテ大嶺祐太、絶望からの先発復権。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2018/01/31 17:30
2018年は「先発一本でいきたい」と宣言した大嶺。涌井秀章の残留が決まったことで、先発ローテ争いはますます激しくなっている。
自暴自棄になりかけた大嶺を救ったのは……。
ボールを投げられない自分に苛立ちを覚える日々、故障が癒えても焦りから期待されたパフォーマンスからは程遠い状態で自暴自棄にもなっていた。
そんな大嶺を支えてくれたのが、2016年に結婚した琴菜さんだった。
彼女の存在で再び前向きな気持ちを取り戻した大嶺は、自分の投球フォームの見直しを図るため、プライベートで親しかった埼玉県内のトレーナーに相談。その後のフォーム改造に繋げた。
「おそらくフォームが悪かったから肩も痛くなったんだと自分では思うんですね。なので2012年の自主トレから(トレーナーに)肩に負担がかからないような体の使い方を教えてもらって」
それが実を結んだのが2015年だ。
この年、1年間ローテーションを守り続けた大嶺は自己最多の8勝を記録。先発陣3本目の柱として活躍した。
しかし2016年に再び不振に陥ると、そこから投球フォームを、脱力を意識したものに改良。昨年(2017年)のシーズンは、ようやく「これだ」というものに出会い、相当な手応えも感じていた。
昨季のオープン戦では、5試合投げて無失点に!
2017年は自主トレ、キャンプで好調をキープし、最初のオープン戦となった2月25日の東京ヤクルト戦では最速147キロを計測するなど復活を予感させた。
オープン戦トータルでも5試合、15イニングを投げて無失点。これ以上ない成績で開幕を迎えた大嶺だったが、偶然にも昨年は大嶺以外の投手達もキャンプ、オープン戦と軒並み絶好調だった。
首脳陣は好調過ぎる投手陣を抱え、逆に頭を悩ませることになったのだ。