テニスPRESSBACK NUMBER
1位から70位に落ち……そして優勝!
全豪覇者ウォズニアッキと女傑列伝。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2018/01/31 11:30
全豪オープンで優勝した翌日、メディア向け撮影会でトロフィーと共に取材に応じたウォズニアッキ。
テニス界の強い女性たちの多くがスキャンダラスだった。
テニスコートで強い女性たちは皆、どこかスキャンダラスだった。
婚約解消ならマリア・シャラポワだって経験済みだし、マルチナ・ヒンギスにいたっては元夫に家庭内暴力で訴えられながらの泥沼離婚すらさほど際立たないほど異性スキャンダルに満ちている。子供ができたといって突然産休に入ったビクトリア・アザレンカは、無事出産してコートに復帰したのはいいが、その直後にパートナーと別れて今や親権問題で裁判沙汰。
現役時代から同性愛をカミングアウトしていたアメリ・モレスモが妊娠したというニュースが出たときは、皆度肝を抜かれた。
セリーナ・ウィリアムズが、電撃的だったとはいえ婚約→妊娠→出産→挙式と、祝福されながら全て順調に済ませてきていることが不思議なくらいだ。
没個性と言われる最近の女子テニス界。若いプレーヤーたちに彼女たちの真似をしろというのも無理な話かもしれないが、グランドスラムのチャンピオンが男子同様に4億を稼ぐ世界である。
それを勝ち取ってきた女たちのDNAが引き継がれているのだ。いろいろあって当然だろう。
決勝戦で負けたハレプも、得意の全仏での活躍を期待!
そういえば、今回敗れたハレプも、テニスをするのに邪魔だと言って17歳の若さで“縮胸”手術を施したという肝の座った逸話の持ち主であった。得意のクレーコート、全仏オープンでの3度目の正直に期待したい。
オンコートでもオフコートでも自分のあり方に胸を張り、常に頭を上げてチャレンジしてきた彼女たちの〈強さ〉を思い出させてくれる決勝戦だった。今後、スターたちが復活し、大坂なおみのような個性的な若手がさらに伸びれば、女子テニスにはまだ大きな可能性が残されている。