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監督も公認、史上最強の聖光学院。
「大阪桐蔭にも負けねぇぞ!って」
posted2018/01/29 11:20
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Genki Taguchi
センバツの開幕までおよそ2カ月。それまでの期間が「まだ」なのか「もう」なのか。
――出場が正式に決まると、いよいよセンバツが始まるという心境になりますか? そう尋ねると、聖光学院の斎藤智也監督は「そうだねぇ。もう、始まるね」と穏やかな口調で頷く。しかし、眼光は鋭い。
斎藤監督にとっては「もう」であることを、その眼が物語っていた。
ようやく、チームの真価が問われる決戦を迎えるとなれば、自然と闘志が沸き立つ気持ちも十分に理解できる。このオフ、斎藤監督が話していた決意が鮮明に蘇る。
「聖光学院の歴史を塗り替えたわけだから、引き下がれない。このチームは力があるし、ここからセンバツまでもっと力をつけてくれると信じている。だから俺も選手たちも、応援してくれる、支えてくれるみなさんの期待を意気に感じて、使命感を強く持って戦うしかない。
『負ける理由なんかねぇだろ。そう簡単に引き下がれねぇだろ。優勝する権利があるんだから、やるしかねぇ。ここしかねぇ、この春しかねぇんだ!』ってね」
監督も部長も、今年のチームの強さを感じている。
今年の聖光学院は、「史上最強」の呼び声が高い。
斎藤監督が言うように選手の能力は高く、下級生主体のBチームの監督を務め、今の主力選手のほとんどを昨年夏まで鍛え上げてきた横山博英部長も、「総合的に見れば歴代でもトップクラス」とチームの実力を認めている。
選手もそれを実証するように、秋は福島県を圧倒的な力で制し、東北大会でも初優勝を遂げた。そして、東北王者に出場する権利が与えられる明治神宮大会も経験できた。
「史上最強」を謳うには十分な戦績である。
それでも、斎藤監督に慢心はない。
結果を出した、聖光学院の歴史を塗り替えたからこそ、チームの隙を的確に見出し、センバツ本番までに埋めていく。その姿勢が、はっきりと感じられたからだ。