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ドラフト外れ外れ外れ1位に超驚き。
ホークス吉住晴斗は千賀二世になる?
posted2018/01/19 08:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
昨年のホークスが唯一、敗北感を味わった日。それは10月のドラフト会議だったのではないか。
はじめの1位入札で清宮幸太郎を外したのは、7球団も競合したのだから致し方ないとしても、その後も安田尚憲の「3分の1」、馬場皐輔の「2分の1」も続けざまにハズレくじを引いた。
残りモノに福はなかった。抽選順がいずれも“最後”で選択の余地がなかった工藤公康監督が責められるはずもないが、それでも指揮官は落胆の色を隠しきれない様子。テーブルに戻り王貞治球団会長ら球団フロントから慰めの言葉を掛けられても、大きな眉毛を「八の字」にして精一杯の苦笑いを浮かべて思わず突っ伏してしまった。
「ホークスの1位は誰だろう」と思って座ってたら。
外れ外れ外れのドラフト1位。
ホークスの決断はとても早かった。
場内に名前がアナウンスされる寸前、工藤監督が不敵な笑みを浮かべた。
「第1巡選択希望選手、福岡ソフトバンク。吉住晴斗、17歳、投手、鶴岡東高校」
どよめいた。観客席からは「うおー!」という男性の声が上がった。テレビの生中継でも「これはサプライズですね」との言葉が飛び出した。
誰よりも驚いたのは吉住本人だったかもしれない。
学校で記者会見の準備をして待望の瞬間を待ってはいたものの、名前を呼ばれたのに笑顔を見せるわけでもなく、ポカンと座っているだけだった。
「下位での指名はあるかなと思っていました。ホークスの1位は誰だろうと、普通の人と同じような気持ちで見ていただけでした」