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成功率100%で盗塁王獲得は可能か?
ロッテ荻野貴司が挑む究極の記録。
posted2018/01/18 17:00
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
Kyodo News
野球が“ミスのスポーツ”である、というのは誰もが知るところだろう。
打率は打てて3割5分だし、先発投手の防御率が0.00ということはまずあり得ない。2013年、楽天に所属していた田中将大(ヤンキース)が勝率10割を達成したが、このような記録はそう簡単に出るものではない。
そんなミスのスポーツ野球の中で、高い数字が出るのが盗塁成功率だ。
成功率6割以上の選手も多く、盗塁王のタイトルを獲るような選手は7割を超えてくる。
とはいえ盗塁成功率60~70%台は多くいても、80%からはガクッと減る。さらに90%となると、最近ではトリプルスリーを達成した2016年の山田哲人(ヤクルト)と柳田悠岐(ソフトバンク)など数回しかない。
2017年に80%以上を記録したのは4選手。
下記は2017年、20盗塁以上した選手の中で80%以上の選手を成功率順に並べたものだ。
荻野貴司(ロッテ) 成功26 失敗3 89.7%
西川遥輝(日本ハム) 成功39 失敗5 88.6%
外崎修汰(西武) 成功23 失敗3 88.5%
梶谷隆幸(DeNA) 成功21 失敗3 87.5%
打率や出塁率でもリーグ上位の数字を残した西川が、ここでも成果を挙げている。
2016年以前を振り返っても、2014年に盗塁王のタイトルを獲りながら80%を切った以外(79.6%)は、毎年80%の成功率を収めている。2013年には90%を超えたこともある。
また荻野は怪我がちとはいえ、こちらも2017年、2013年に89.7%をマークしている。梶谷は、盗塁王を取った2014年に80%を超える成功率を記録した。