プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「噛ませ犬」事件から35年が過ぎ――。
昭和の“革命戦士”長州力の現在。
posted2018/01/18 11:00
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「いいものはいい。悪いものは悪い」
長州力はちょうど3年ぶりの自身の主催興行で、メインイベントの6人タッグマッチを終えた後、こう言った。
1月14日の後楽園ホール「POWER HALL」と銘打たれた大会。メインは長州、飯伏幸太、伊橋剛太vs.藤波辰爾、関本大介、TAKAみちのく、というカードだった。
長州はタッグ・パートナーに飯伏を指名して試合に臨んだ。
「今、注目を集めている飯伏という男がどうなのか、近くで見てみたかった」と、長州はそんな理由で飯伏にラブコールを送った。
飯伏も「長州さんと組めるなら」とこれを受けた。
昔と今のプロレスが違うのは分かっている。
「オレたちの時代のプロレスと、今のプロレスが違うのはわかっている。それがかみ合っても、かみ合わなくてもオレは構わない。かみ合わないならかみ合わないで、かみ合わないという新鮮さを観客が感じてくれたらそれはそれでいいんじゃないかな。ただ、オレはやるだけだよ」
こう言って長州は割り切ったように試合に挑んだ。
サブ・タイトルには「SET BACK THE CLOCK」と、うたってある。では、時をあの時代に戻してみよう――。