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深夜、モスクワからの国際電話。
カズさんが話したかったこと。
text by
瀬尾泰信(Number編集部)Yasunobu Seo
photograph byKazuyoshi Miura
posted2018/01/04 07:00
ドログバ、ロナウジーニョ、プジョル、セードルフら……FIFAレジェンドたちと共に食事を。日本人選手でここまで世界と渡り合える選手は、そうはいない。
FIFAレジェンドとして招待されたことについて。
「正直、モスクワに行く前は、どうなるのかな、行かないほうがいいのかな、って思うところもありました。でも、実際向こうに行って3日間、また新たな刺激だったりとか発見がありましたね。そのなかには、みなさんに伝えていい感情なのか、100パーセント確信を持てていない気持ちもある。でも、やっぱり伝えておきたいな、と思っています──」
「──ふと思ったんです。僕は今回FIFAレジェンドとして呼ばれたけど、このたくさんのレジェンドたちの中で、僕が知っているかぎり、僕だけ違うことがあるな、と」
カズさんは僕たちに何を伝えたかったのか。
違うこととは、なんだったのか。
その内容は、カズさんとの約束を果たすために、Number943号「日本代表 逆襲の秘策」掲載のスペシャルメッセージ「ワールドカップがまた、やってくる」に詰め込んだので、ぜひお読みいただきたい。
ここではカズさんがモスクワで嬉しかった出来事を3つ、紹介しておこう。
懐かしい顔……ジェノア時代の仲間と驚きの再会。
ひとつは、思わぬ再会があったこと。
この抽選会にはペレ、マラドーナ、ロナウド、ロナウジーニョ、イエロ、プジョルといったビッグネームが集結していることはわかっていたが、そういったレジェンド以外にも、全世界のサッカー関係者が一堂に会していた。そこで……。
「あれ? 誰だっけ? 知ってる顔だよな……と思って遠くから見ていたんだけど、どうしても名前が思い浮かばない。そうしているうちに、目があった瞬間、向こうが『カァズゥー!』って叫んで駆け寄ってきてくれて。
ジェノア時代のチームメイト、マニコーネだったんだ。
インテルミラノからレンタルでジェノアに来ていた中盤の選手で、イタリア代表でもプレーしていて、僕がセリエAで唯一得点を挙げたとき、僕にポストプレーでラストパスを出したスクラビーに浮き球を送ったのが彼だったんだよね。今はスイス代表監督のアシスタントをしていて、その関係で抽選会に来ていたんだ! 嬉しい再会だったね」