野球のぼせもんBACK NUMBER
1億円プレーヤー続出のホークス。
連続日本一へ攻守ともに景気よし!
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byHideki Sugiyama
posted2018/01/01 08:00
球界最強の座を手にしつつあるホークス。連続日本一を手にすれば、その地位は確固たるものになる。
田中正義、高橋純平のリリーフ起用もあり得る?
その五十嵐も46試合登板で防御率1.73の好成績。しかし、17HPでセットアッパーとしての起用が多かったとは言えなかった。結果的に2017年のホークスのブルペン陣はかなり層が厚かった。ワンポイント左腕では58試合に登板した嘉弥真新也の活躍が光り、さらにはシーズン途中に加入したキューバ人左腕のモイネロも34試合で19HPと良い働きを見せた。
2018年の連覇に向けても、無論ブルペン陣はカギを握る存在だ。
ただ、プロ野球記録の54セーブを挙げた守護神サファテ、そして球団新の数字を叩きだした岩嵜あたりに、同様以上の数字を期待はすれども、求めるのは酷な話だ。「上積み」を考えるならば、復帰が待たれるスアレスのように前年が振るわなかった投手の台頭を期待する方がいいかもしれない。
その意味ではドラフト1位入団ながら右肩リハビリで苦しんだ田中正義はうってつけだ。150キロオーバーの速球で空振りをとれる。投手タイプで考えれば、リリーフ適正はあるだろう。その前年ドラ1の高橋純平も球には力があり、先発争いに入り込めなかった場合はリリーフ起用もあり得る。
世代交代が遅れ気味の野手陣も、甲斐や上林が成長。
一方の野手陣でV奪回の立役者となったのは35本塁打、103打点で二冠王を獲得したデスパイネだった。前年のV逸は李大浩の抜けた穴が埋まらず、長打力不足が敗因の1つとなった。しかしキューバの至宝が加わり、さらに柳田も2年ぶりの30発超えと元気を取り戻したのは大きかった。
さらに内川聖一や松田宣浩といったベテラン勢もまだまだ元気。投手に比べれば世代交代がやや遅れている感は否めないが、25歳捕手の甲斐拓也が捕手陣の中で最多出場し、22歳の上林誠知が規定打席をクリアしオールスターにも出場するなど、貴重な経験を多く積んでいる。
また2017年は、守備の固さも際立った。シーズン143試合で38失策は歴代最少タイ記録で、さらにチーム守備率.993は新記録だった。これもチームの強さを象徴する。