福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
福西崇史が韓国戦に「残念の一言」。
代表のユニフォームで戦う価値を。
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph byYuki Suenaga
posted2017/12/18 17:00
存在感を発揮した数少ない選手である川又堅碁。とはいえ、韓国に好き放題やられるのはブラジルにやられるのとは意味が違うが……。
レアルもグレミオも、メンタルが崩れない。
まずクラブW杯連覇を達成したレアルです。昨年の決勝では鹿島に苦戦しましたが、その時よりもチームとして完成されていた。ロナウドの直接FKで先制点を取ると、同点に追いつきたいグレミオはさらに前線からのプレスを強めた。
そこでレアルは受けに回るのではなく、さらにパススピードを上げてグレミオの心を折りにいった。技術がベースにあってこそとはいえ、慌てた様子はなかった。ここに強さを感じました。
とはいえレアルに地力を見せつけられたグレミオも、最後まで試合を捨てるようなことはなかった。前に人数をかけざるを得ない中、カウンターのピンチで最終ラインは身体を投げ出してでも守りぬいていた。だから1-0というロースコアでも見ごたえがある展開となりました。あの試合を見た後だと、日本の戦いぶりが返す返すも悔やまれます。
当落選上ならば、限られた時間で結果を出す必要がある。
個人のアピールについても、もっと野心を持ってほしかった。今大会には井手口や昌子のように主力として戦ってきた選手もいましたが、大半がロシアW杯メンバー争いで考えれば当落線上のところです。
その中で「23人枠」にとどまらず、レギュラー争いに割って入ってやろうという気迫を持っていた選手はどれだけいたか。
これもクラブW杯の話になりますが、3位決定戦でパチューカのデラロサという17歳が途中出場でゴールを決めた。これによってメキシコでも注目を集めるはずです。出場時間が限られても結果を出す。そしてさらに上を目指す。年齢に関わらず、プロなら持たないといけない気持ちです。