酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平の兄も選手って知ってた?
なぜか大物兄弟が少ないNPB。
posted2017/11/29 07:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
アジアチャンピオンシップも終わって、今季のプロ野球もそろそろおしまいだ。
そもそも野球協約では、12月1日から翌年1月31日までは球団は選手に野球をさせてはならないと定められている。もちろん、ウィンターリーグなど例外はあるが、12月になれば、もう野球の季節ではなくなるのだ。
そんな中であまり知られていないが、今年は「兄弟選手」に異変があった年だ。今、NPBには6組もの兄弟選手がいる。
新井貴浩(広)、新井良太(神)
上本博紀(神)、上本崇司(広)
大嶺祐太(ロ)、大嶺翔太(ロ)
高濱卓也(ロ)、高濱祐仁(日)
堂上剛裕(巨)、堂上直倫(中)
星野雄大(ヤ)、星野大地(ソ)
このうち阪神の新井良太、巨人の堂上剛裕が引退。さらに星野雄大、大地兄弟はそろって戦力外になった。残るは上本兄弟、大嶺兄弟、高濱兄弟。来季、広島の田中広輔の弟の田中俊太が巨人にドラフト5位で入団するので、総勢4組となる。兄弟選手ファン(そんなのいるか?)にとっては、由々しき年となったのだ。
日本に比べてMLBは兄弟選手の成功例は多い。
筆者は少年野球の取材をしているが、野球を始める動機で一番多いのは「お兄ちゃんがやってたから」だ。上の子が野球をしている家では、下の子も始める可能性は極めて高い。
しかし、日本のプロ野球では兄弟選手でともに出世した例は極めて少ない現実がある。その一方、MLBでは兄弟選手の成功例は非常に多い。
代表格は兄弟そろって2000本安打を記録し、ともに殿堂入りしたウェイナー兄弟である。
兄:ポール・ウェイナー 9459打数3152安打 113本塁打1309打点 打率.333
弟:ロイド・ウェイナー 7772打数2459安打 27本塁打598打点 打率.316
ベーブ・ルースより少し後の時代、パイレーツで揃ってプレーし、チームの看板となる。ともにうるさい打者で、兄は「ビッグ・ポイズン(毒)」弟は「リトル・ポイズン」と呼ばれる。よほど厭らしい兄弟だったのだ。