酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平の兄も選手って知ってた?
なぜか大物兄弟が少ないNPB。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2017/11/29 07:00
ここ近年最も愛されたのは「新井兄弟」。弟・良太(左)が今季限りで引退したが、阪神時代の貴浩とチームメートになったことも。
2人とも200勝達成したナックルボーラー。
続いて、兄弟ともに200勝したのがニークロ兄弟である。
兄:フィル・ニークロ 318勝274敗 防御率3.35
弟:ジョー・ニークロ 221勝204敗 防御率3.59
1960~80年代に活躍し、兄は殿堂入りを果たした。ナックルボールを武器とした。
華やかさではディマジオ3兄弟だろうか。
長兄:ビンス・ディマジオ 3849打数959安打 125本塁打584打点 打率.249
次兄:ジョー・ディマジオ 6821打数2214安打 361本塁打1537打点 打率.325
末弟:ドム・ディマジオ 5640打数1680安打 87本塁打618打点 打率.298
有名なジョーは兄と同じチームでキャリアをスタートさせたが、MLBデビュー1年目からオールスター戦に出て、あっという間にスターになる。兄ビンスもそのあとでオールスター戦に選出される。第二次世界大戦前後の時代だ。
そして末っ子のドムは兄ディマジオのいるヤンキースのライバル、レッドソックスの快速外野手となり、兄の火の出るようなライナーを何度もアウトにしている。
ドムはディマジオの最大のライバルだったテッド・ウィリアムズの終生の友となった。このあたりデビッド・ハルバースタムの名作『The Team mates』に詳しい。
数年前まで現役だったイズトゥリスは異母兄弟。
現役ではマリナーズのカイル・シーガー、ドジャースのコーリー・シーガーの兄弟が有名だ。ともに強打の内野手。2人ともオールスターにも出ている。このほか、名捕手ぞろいのモリーナ3兄弟、メルビン、ジャスティンのアップトン兄弟、巨人でもプレーしたエドガー、エイドリアンのゴンザレス兄弟等々。
変わったところでは、数年前まで現役だったシーザー、マイサーのイズトゥリス兄弟。ともに内野手。2人は同じ1980年生まれである。
え、双子? これが違うのだ。
シーザーが2月生まれ、マイサーが9月生まれ。彼らの父親が違う女性に産ませた異母兄弟だ。人間的な道義は置いておくとして、父親のDNAの優秀さを2人は証明していた。