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武豊&ルメール、大一番前の対談。
キタサンやレイデオロの印象は……。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byKisei Kobayashi

posted2017/11/24 08:00

武豊&ルメール、大一番前の対談。キタサンやレイデオロの印象は……。<Number Web> photograph by Kisei Kobayashi

武豊とルメール。日本とフランスが誇る名手が大いに語り尽くした。

毎日競馬があるフランスは移動で精神的に疲れた。

 クリストフはフランスでも活躍して、毎年秋のシーズンオフに短期免許で来日していたよね。日本に来ようと思ったのは、'13年にJRAが通年の外国人ライセンスを発行することを決めたのが大きかった?

L そうです。ちょうどタイミングが良かった。当時はフランスの大オーナー、アガ・カーン殿下と優先騎乗契約を結んでいましたけど、'13年いっぱいで契約が切れた。

 フランスは毎日競馬があります。飛行機や電車、時には自分で車を運転して、数時間かけての移動も当たり前。これが精神的にすごく疲れた。日本のように週末だけ競馬という方がレースに対しても集中できる。それに私は常にチャレンジし続けることが重要だと思ってたから、家族にも相談して日本に行くことを決めました。

 試験を受ける前、短期免許で来日している時に京都競馬場で落馬して、脚を骨折してしまいました。その入院の間に日本語の勉強たくさんしましたね。通年免許の二次試験は日本語の口頭試験でしたから。怪我をしてもポジティブに考えてた。結果的に日本行きはすごくよかった。今では子供たちも日本に慣れたし、家族も嬉しい。

 今や8月に札幌競馬場で行われたワールドオールスタージョッキーの日本代表だからね(笑)。

L 招待された海外ジョッキーからは「日本代表?」ってからかわれたけど、代表になったのはとても嬉しかった。

 そういえば僕もフランスにいた時、チームフランスの一員として、イタリアの招待レースに行ったことがあるよ。オリビエ(・ペリエ)と(オリビエ・)ドゥルーズと(ダヴィ・)ボニヤと僕の4人でフィレンツェでレースに乗った。

「リーディングやっぱり獲りたい?」「もちろん!」

――ルメール騎手はリーディング争いでもトップの戸崎騎手と10勝差の2位です(10月1日現在)。

L 凱旋門賞に行って、日本で乗れない週もあったから、難しい。

 でも、僕はたぶんクリストフが獲るんじゃないかと思うよ。リーディングはやっぱり獲りたい?

L もちろん獲りたい。日本競馬のヒストリーの中でも外国人ジョッキーが獲るのは初めてになるし。

 クリストフのヒストリーでも初めて?

L そうなる。去年は最後の2週間ですごく戸崎さんと競っていた。だから「獲りたい、獲りたい、獲りたい」とすごく緊張していて、いつも戸崎さんの結果を気にしていたよ。今年こそ獲りたい。でも、やっぱり今年も最後までギリギリの争いになると思う。考えると今から緊張してくるよ(笑)。

――それもまた、今年の秋競馬の見どころですね。今日はどうもありがとうございました。

(Number937号『武豊 クリストフ・ルメール 秋の主役は俺たちだ。』より)

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