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大阪杯は競馬史に残る名勝負に? コントレイルの“現役最強証明”か、グランアレグリア“三階級制覇”か
posted2021/04/03 17:03
text by
島田明宏Akihiro Shimada
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Photostud
これほど二強ムードが盛り上がり、どちらが勝つのか想像するだけでドキドキするGIはいつ以来だろう。
ともに連勝街道を突き進んでいたタマモクロスとオグリキャップの「芦毛対決」に沸いた1988年の天皇賞・秋。最強ステイヤーのメジロマックイーンと無敗の二冠馬トウカイテイオーが激突し、「天下分け目の決戦」と言われた1992年の天皇賞・春。
そうした競馬史に残る名勝負に匹敵する戦いになりそうなのが、無敗の三冠馬コントレイルと昨年の最優秀短距離馬グランアレグリアが初めて顔を合わせる、第65回大阪杯(4月4日、阪神芝内回り2000m、4歳以上GI)である。
コントレイルは「本質的にはマイラー」
コントレイル(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)は、昨年、1984年のシンボリルドルフ、2005年の父ディープインパクトに次ぐ、史上3頭目の無敗のクラシック三冠馬となった。2歳のときにホープフルステークスを制しているので、GIは4勝。
つづくジャパンカップこそアーモンドアイの2着に敗れたが、メンバー最速のラスト3ハロン34秒3の脚を使い、最後まで食い下がった。ルドルフもディープも、古馬との初対決では敗れている。数戦の負けを経て三冠馬となったナリタブライアンやオルフェーヴルは対古馬初戦を完勝しているのに、なぜか、無敗の三冠馬にとっては、そこが鬼門になっているのだ。
さて、コントレイルに関しては、矢作調教師も、レースの合間を過ごす大山ヒルズの齋藤慎ゼネラルマネージャーも、昨春の早い時期から「本質的にはマイラー」と話していた。にもかかわらず、2000mの皐月賞、2400mのダービー、3000mの菊花賞で安定した強さを発揮。特に菊花賞では、2着のアリストテレスに道中ずっと密着マークされる厳しい展開となりながら、直線の激しい叩き合いを制して勝ち切った。緩い流れのなかでも掛からない頭のよさと、能力の絶対値の高さが適性をカバーしたのだ。
ジャパンカップのあとは大山ヒルズで休養し、3月上旬に帰厩。体重が減りすぎないよう苦労した昨年と違い、体が増えた今は、目一杯仕上げることができる。31日の本追い切りでは坂路コースで抜群の動きを見せており、出陣態勢は整った。