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ミルコ絶好調、マイルCSも神騎乗。
GI年間6勝で武豊らの記録に並ぶ。
posted2017/11/20 11:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
前週につづき、またまたミルコだった。
秋のマイル王を決める第34回マイルチャンピオンシップ(11月19日、京都芝外回り1600m、3歳以上GI)を勝ったのは、ミルコ・デムーロが騎乗した4番人気のペルシアンナイト(牡3歳、父ハービンジャー、栗東・池江泰寿厩舎)だった。
デムーロは、歴代最多タイとなる年間JRA・GI6勝目をマークしたと同時に、GI騎乗機会10戦連続3着以内とし、自身の記録を更新した。
ペルシアンナイトは、大外18番枠から速いスタートを切った。少しずつポジションを下げながら内に入り、3コーナーを回るときには内から2頭目にいた。
そのままコースロスなく後方の内を通って4コーナーを回り、直線へ。馬群がバラけるのを待ってから追い出し、馬場の真ん中から抜け出しをはかるエアスピネルの真後ろから脚を伸ばす。
ラスト200m地点でエアスピネルが先頭に立った。
ペルシアンナイトはその3馬身ほど後ろから、外のサングレーザーと馬体を併せて猛然とスパートをかける。抜け出したエアスピネルとの差を1完歩ごとに詰め、外から並びかけ、ハナ差だけ出たところがゴールだった。
難しいことを簡単にやってのけるデムーロ。
勝ちタイムは1分33秒8。午前中まで重発表だった稍重馬場でも、持ち味の鋭い末脚はそのままだった。これがGI初勝利。皐月賞で僚馬アルアインの2着に敗れた悔しさを晴らした。
「写真判定で勝ったかどうかわからなかったので、緊張した。いい馬です。いつも頑張って走ってくれます」とデムーロ。
勝つにはここを通るしかない、というコース取りを、ゴールから逆算して選んでいたかのようだった。大外枠からスムーズに内に入れ、直線で、絶対に下がってこないエアスピネルの後ろを瞬時に選んだ。それを難しそうに見せずにやってのけるところが、今のデムーロのすごさだ。