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源田壮亮から始まった西武走塁の輪。
いまや盗塁数はパで断トツの129に。
posted2017/11/22 11:30
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
「アジアプロ野球 チャンピオンシップ2017」は日本代表の優勝で幕を閉じた。
埼玉西武ライオンズからは侍ジャパンに6名の選手が選ばれていたが、初戦、相手守備の乱れをついて一気にホームインした源田壮亮と、走攻守に渡って活躍してMVPを獲得した外崎修汰は、2017年シーズンの「走るライオンズ」を象徴する選手である。
2017年シーズン、ライオンズのチーム盗塁数129は、12球団トップの数字。パ・リーグにおいては2位の北海道日本ハムの86個に40以上の差をつけた断トツの第1位である。
源田はルーキーながらチーム最多の37盗塁を記録し、リーグ盗塁ランキングの第2位に輝いた。昨年の盗塁王である金子侑司は脚の故障で出遅れたものの、25盗塁を記録してリーグ4位に顔を見せている。5位に外崎、6位に秋山翔吾と続き、個人成績10傑に4名が名前を連ねた。
秋山「源田におんぶにだっこと言っていいぐらい」
昨年の97盗塁から、ここまで数字を伸ばした要因について秋山は語る。
「盗塁も含め、“源田におんぶにだっこ”と表現していいくらい、まずは源田の加入が大きいと思います。僕について言えば、僕よりも盗塁の技術が高い選手がライオンズには多いので、春のキャンプ中から水口大地や木村文紀、外崎たちにいろいろと疑問に思ったことは聞いていました」
その輪は秋山や源田を中心にレギュラー、控え選手の垣根なく、チームにどんどん広がっていった。
「たとえば試合中にベンチで“このピッチャーは走れると思う?”とか、“こういう状況ではどうしようか?”という会話が増えましたね。それが、試合中に至る所で見られるようになった。もちろん、友亮さん(佐藤・外野守備・走塁コーチ)が気になることを指摘はしてくださるんですけど、コーチからだけではなく選手同士でも、塁上から見るとどうだとか、けん制がうまくて走りづらいという情報を常に共有していました」(秋山)