酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平のメジャー成績を大胆予想。
投手では11勝。一方野手では……。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2017/11/20 10:30
打って投げて大活躍となれば“ベーブルースの再来”とアメリカでも騒がれるだろう。果たして大谷の二刀流はMLBでも通用するか。
投手、大谷翔平は何勝くらいできそうか?
投手トータルの平均値も出してみた。日本の一線級の投手がMLBに渡ると、防御率は3割弱悪化し、被安打は6%増え、奪三振は3%減り、被本塁打は1.6倍になる。投球回数は23%減り、勝利も28%減るということになる。
この平均値を、大谷翔平のここまでの投手成績に当てはめたうえで、来季、大谷がMLBのローテーションをほぼ維持して、30試合に先発するとして計算するとこうなった。敗戦数はNPBの勝率をそのまま適用して算出。数字は四捨五入する。
NPB通算:85試合 42勝15敗 543回 384被安打 24被本塁打 奪三振624 防御率2.52
MLBでの予想:30試合 11勝4敗 147.2回 143被安打 14被本塁打 奪三振165 防御率3.26
黒田のように投球スタイルを再構築する必要性が?
勝敗は味方の援護や運にも左右されるが、大谷は2けた勝利を上げる可能性はある。しかし投球回は規定投球回数162に届かない。奪三振165は、大谷が日本での計543回で624奪三振と凄いペースだったから。実際にはもう少し少なくなるかもしれない。
そして防御率は2.52から、3.26に悪化する。今のMLBは打高投低であることを踏まえれば、悪い数字ではない。ただ奪三振が多い大谷は、球数が嵩む傾向にある。そのため長いイニングを投げるのがやや難しい。100球を目安で降板するMLBでは、今年のドジャース、前田健太のように6回を持たずに降板することが多くなるだろう。
MLBに渡って、大谷は黒田のように、メジャーの野球を学び直して投球スタイルを再構築しなければならないのではないか。でなければ、長持ちしないし、成績も上がらないだろう。もちろん大谷は、そういうクレバーさは持ち合わせていると思う。